◆ボズ BOZ - MAYA 9060
◆HOYA1.67シンクロ中近両用レンズ
◆ブイオーシーレガシー VOC Legacy - VL-654 C-7 Celluloid
を銀座店にてご購入いただきましたS様です。
S様とのご縁は、約1ヶ月前に奥野ビルのギャラリーへお立ち寄りいただいたことがきっかけでした。その際にお取り置きをさせていただいたのですが、その後お忙しくなられてご来店が難しくなり、改めてLINEでご連絡をくださり、在庫をご確認のうえご来店いただきました。
今お使いのメガネは3年前にお作りになったものとのこと。「手元も遠くも見辛くて、中途半端な感じで」とおっしゃっていたように、縦幅が30mmほどと狭いフレームの中に遠近両用を入れていたため、遠用の度数も強めになっており、全体的に見え方のご不満を抱えていらっしゃいました。お仕事でも細かい文字を読んだり、物作りをされるとのことで、しっかりと手元が見えることが今回の大きなテーマでした。
今回の処方は、現用の度数から遠用部分を少し弱め、加入度数を1.75から2.50へと上げた内容です。度数の変化が大きかったこともあり、S様から「まず一本だけ先に試してみたい」とのご希望をいただきました。新しい度数できちんと日常に馴染むかどうかを確かめてからという、とても丁寧なアプローチだと思います。そのため、今回はBOZのフレームにのみレンズを入れ、VOC Legacyはフレームとしてのお持ち帰りとなりました。
まず、一本目、BOZ(ボズ)は、フランスのアイウェアブランドJFレイのデザイナー、ジャン・フランソワ・レイの妻であるジョエルによって創立されたブランドです。花や草など自然のモチーフをデザインに取り込み、エキゾチックでフェミニンな表現を得意としています。2005年と2007年にはフランスの国際眼鏡展SILMOでグランプリを受賞しており、フランスを代表するアイウェアブランドとして確かな評価を得ています。
「MAYA 9060」は、そのBOZらしさが存分に表れたオーバル型のセルフレームです。目を引くのは、右目尻側に施された凹みとピンクのアクセント、そして右エンドのリップをかたどったデザイン。ほんのりアシンメトリーな構造が、見る角度によって表情を変えてくれます。素材の生地も美しく、POP&CUTEという言葉がよく似合う、でも品のある一本です。物作りのお仕事をされているS様の、感度の高さが自然と滲み出るような選択だと感じました。
レンズはHOYA 両面TF設計 中近両用でお作りさせていただきます。両面それぞれで設計を最適化する複合累進設計により、視野の揺れや歪みを抑えつつ、広い視野を確保しています。加入度数が高くなっても見え方が安定しやすいのが特徴で、手元から中間距離をとくにラクに見られる中近両用タイプです。細かい文字や手元の作業が多いS様の日常に、よく馴染んでくれると思います。屈折率1.67の薄型仕上げで、23.5mmという設計の視野幅も確保されています。ご来店時に20分ほどかけて階段の上り下りや手元の見え方を実際にお試しいただき、S様からOKをいただいてからお仕上げしましたので、私たちも安心してお届けできました。
もう一本、今回フレームでお持ち帰りいただいたのが、VOC Legacy(ブイオーシー レガシー)の「VL-654 C-7 Celluloid」です。
VOC Legacyは、1933年創業の鯖江の老舗「宮本眼鏡」が手がけるブランドで、20世紀中頃のクラシックなデザインを現代に継承することをコンセプトに掲げています。このブランドの大きな特徴は、セルロイド素材への一途なこだわりです。現在の眼鏡業界ではアセテートが主流ですが、VOC Legacyはあえてセルロイドに特化し、その独特の艶と発色、手に持ったときの質感を大切にしています。
「VL-654 C-7」は、そのセルロイドの魅力が最もよく伝わるラウンド型フレームです。さらに、テンプルには芯金を入れない「ノー芯」技法が採用されており、素材そのものの弾力と質感を活かした仕上がりになっています。熟練した職人の手によって丁寧に作られた、静かな存在感のある一本です。BOZとはまた異なる、落ち着いた深みのある雰囲気で、S様のお手元に届いてからどのように育っていくか、楽しみにしています。
まずは、しっかりBOZのフレームお作りさせていただきますので、見え方が安定してきた頃に、VOC Legacyへのレンズ入れもぜひご検討いただけますと嬉しいです。レンズ完成今しばらくお待ちくださいませ。
Tama
2026/04/08