◆ルノア Lunor - M5 Mod.04 col.GP
◆HOYA 非球面 1.74 レンズ+カラー(トゥルーグレイ35%)
を新宿店にてご購入いただきましたK様です。これまで様々なお店を巡られたにもかかわらず見つからなかったこのフレームが、ある日の検索で当店にたどり着き、そのままご来店くださったとのこと。縁というものは、ふとしたところに転がっているものだと改めて感じた出来事でした。
ルノアは、1991年にドイツで生まれたブランドです。創設者であるゲルノット・リンドナー氏は、中世から現代にわたる3,000本以上のアンティーク眼鏡を収集するコレクターとしても知られており、その膨大な蓄積から、時代を超えて美しいと感じられるデザインのエッセンスだけを丁寧に抽出しているブランドです。流行に左右されない普遍的な美しさを追いながら、現代の暮らしに応える機能性もきちんと備えている。そのバランスの取り方が、長年にわたってルノアが愛され続けている理由のひとつだと私たちは思っています。
今回お求めいただいたM5 Mod.04は、ルノアを象徴する「V(ファイブ)」シリーズの後継として生まれた「M5」コレクションの一本。かつてスティーブ・ジョブズが愛用したことで知られる廃盤モデル「V107」をベースに、現代的に丁寧にアップデートされた、いわば歴史の重みを受け継いだモデルです。レンズ幅は約43mmと非常に小ぶりなボストン(パント)シェイプで、顔への馴染みが自然なうえ、強度近視の方でもレンズの厚みが目立ちにくい設計になっています。割智構造や独特なテンプルの形状、クリングス仕様のチタンパッドなど、ドイツらしいミニマルな構造の中に、職人の細やかなこだわりが静かに息づいています。ブリッジの曲線やテンプルの厚みの変化にも、その完成度が表れていました。
カラーのGP(Gold Plated)は、艶を抑えた上質なゴールド。派手さとは無縁でありながら、アンティーク眼鏡を思わせる気品があり、肌にも自然に馴染む色味です。今回のフレームはテンプル内側に軽微なメッキ剥がれのある状態でのご案内でしたが、試着されたK様の雰囲気に、このゴールドの質感がとても穏やかに溶け込んでいたことが印象的でした。大変お似合いでした。
レンズはHOYA 非球面 1.74、カラーはトゥルーグレイ35Fでお作りさせていただきました。屈折率1.74はプラスチックレンズの中でも最も高い部類に入り、度数のある方でもレンズをできる限り薄く、軽く仕上げることができます。非球面設計によってゆがみが少なく、視界の端まで自然でクリアな見え方が得られるのも、このレンズの大切な特徴です。トゥルーグレイのカラーは調光タイプで、紫外線に反応してレンズが自然に色づき、まぶしさを和らげながら目の疲れも穏やかに抑えてくれます。色が入っているときも、ほぼ無色のときも、紫外線はほぼ100%カットされますので、日常の様々な場面で目をしっかり守ることができます。小ぶりなフレームと高屈折レンズの組み合わせは、見た目の自然さという点でも、この一本の選択に説得力を与えていました。
長い時間をかけて探し続けてきた一本に、ようやく出会えた瞬間に立ち会えたことを、私たちも嬉しく思っています。K様、このたびは当店にお立ち寄りいただき、誠にありがとうございました。またいつでも、お気軽にいらしてくださいませ。
Itano
2026/04/05